
吉宗の歴史が始まったのは、世は幕末 動乱の頃。伊予松山藩士だった創業者・吉田宗吉信武は、肥前の国・長崎で出会った「茶碗蒸し」にすっかり虜になり、商いで身を立てることを決意。慶応2年(1866年)のことでした。
この茶碗蒸しをうまく売り出す方法はないかと考え、宗吉が着目したのが「蒸ずし」でした。比較的簡単で美味しく、茶碗蒸しに使う食材を無駄なく用い、しかも茶碗蒸しとの相性も抜群。
こうして誕生した「夫婦蒸し」は、吉宗の看板料理として代々受け継がれていきます。
吉宗総本店はその後、二代大造、三代宗次に引き継がれ、戦時中は材料不足によりやむなく休業したものの四代順彦の獅子奮迅の活躍により家業再開。有限会社吉宗の設立、出前部門の開設、東京店出店など大いに事業を拡大し、五代久子、六代徹へと受け継がれています。

吉宗の東京支店「銀座 吉宗」が銀座8丁目にオープンしたのは、昭和45年のこと。しかし当初はなかなか受け入れられず苦難の連続でした。
当時の責任者だった四代順彦の弟・宗弘が、必死の努力を続ける中、行き着いたのが「皿うどん」です。
この時から「銀座 吉宗」のブランド作りが始まり、昭和48年には本店より分離独立、吉宗有限会社が設立されました。その後も業績は好調に推移し、昭和52年「神宮外苑店」を出店。平成18年には「長崎ちゃんぽん 満てん」として全面リニューアルし、味噌味やカレー味などの新しいテイストにも取り組んでいます。

「銀座 吉宗」では、総本店の看板料理はそのまま受け継ぐも、和食の範疇に入らない「皿うどん」や「ちゃんぽん」、長崎で日常に食する「かまぼこ」、長崎ならではの「鯨料理」など本店にはないメニューも積極的に取り入れています。茶碗蒸しの具材や、麺・はんぺんなど主力メニューの食材のほとんどは、長崎からの直送です。入手困難な食材も、長年にわたる信頼関係をバックボーンにして、安定供給をして頂いております。
私共は「心は心を呼ぶ」を理念として掲げています。「いつまでも決して奢ることなく、志を堅固に、常に相手本位を心がけること」。これが「吉宗」初代から受け継がれてきた教えです。